これだけは知っておけ!

いろんな情報が飛び交っていますが、これだけは知っておいたほうが情報を厳選してお届けします。

日本未上陸のアジアブランドを通販で買うときに確認しておきたいこと

インスタグラムで見かけたベトナムのブランドのパーカーが気になって、商品ページまでは開いた。
でも、カートに入れる手前で手が止まった。
そんな経験がある人は、きっと少なくないはずです。

はじめまして、ファッションライターの牧野航です。
都内のセレクトショップで10年間メンズのバイヤーを務め、韓国やタイ、ベトナムへの買い付けにも通っていました。
いまはフリーで、アジアのストリートブランドや機能服を中心に書いています。

店頭に立っていたころ、お客さまからよく聞かれたのが「海外の通販って大丈夫なんですか」という質問でした。
届くのか、税金はいくらかかるのか、サイズが合わなかったらどうするのか。
不安の中身は、だいたいこのあたりに集まります。

この記事では、日本に店のないアジアのブランドをネットで買う前に、私が必ず見ている項目を順番にまとめました。
税金や返品のルールは公的機関の情報で確かめ、2026年10月時点の内容で書いています。

まず「誰から買って、どこから届くのか」を確かめる

日本未上陸のブランドを買うルートは、大きく分けて2つあります。
ブランドが自分で運営している公式の通販サイトから直接買う方法と、アジアのブランドを集めた日本のオンラインストアを通す方法です。

同じ服でも、どちらで買うかによって、税金の払い方も問い合わせの窓口も変わります。

確認することブランド公式の海外通販日本のアジアブランド専門ストア
問い合わせの言葉英語や現地の言葉が中心日本語で対応しているところが多い
関税・消費税受け取るときに払うことがある価格に含めているストアもある
支払い方法クレジットカードや海外の決済サービスが中心コンビニ払いや後払いを選べることもある
返品の窓口ブランドに直接、外国語で連絡するストアが日本語で受け付ける

日本のストアの例に、アジアのブランドを集めた「60%(シックスティーパーセント)」があります。
ヘルプページによると、ブランドやショップと直接契約して販売していて、注文の管理や配送状況のフォローは日本の法人が国内で行っているそうです。
支払いはクレジットカードのほか、コンビニ決済、Paidyの後払い、PayPayなどにも対応しています。

ひとつ気をつけたいのは、日本語のサイトで買っても、商品は海外から届くことがある点です。
60%も、商品はすべて海外からの出荷だと明記しています。
税関も、国内の通販サイトで買った場合でも海外から直接送られてくることがある、と注意を呼びかけています。

税金と送料は「支払う総額」で比べる

個人輸入なら「0.6」と「1万円」を覚えておく

海外の公式通販から直接買うと、届いた荷物に関税や消費税がかかることがあります。
税関の少額輸入貨物の簡易税率のページによると、個人で使うために輸入する品物の課税価格は、海外小売価格に0.6を掛けた金額です。
そして課税価格が1万円以下なら、原則として関税と消費税は免除されます。

ただ、服を買う人にとって大事な例外があります。
同じページには、ニット製の衣類や革製のバッグ、履物などは、贈り物として受け取った場合を除き、1万円以下でも関税などが免除されないと書かれています。

ここで言うニットは、セーターだけを指すわけではありません。
税関のQ&Aでも、免税されない編物製の衣類の例として、Tシャツとセーターが挙がっています。
スウェットやパーカーも、編んで作った生地でできているものがほとんどです。
ストリートブランドの定番アイテムほど、この例外に当てはまりやすいと考えておいてください。

海外小売価格課税価格(×0.6)1万円以下の免税
12,000円7,200円原則は免税(ニット製の服は関税などがかかる)
16,000円9,600円原則は免税(ニット製の服は関税などがかかる)
20,000円12,000円免税の対象外

財務省の資料では、この0.6の特例によって、販売価格16,666円までの品物が少額免税の対象になると説明されています。
国際宅配便を使う場合は、税金とは別に、配送業者の通関代行の手数料がかかることもあります。

2028年4月からは計算のしかたが変わる

この0.6を掛ける特例は、なくなることが決まっています。
財務省の関税定率法等の一部を改正する法律案の概要では、個人で使う貨物に限って課税価格を海外小売価格の6割にする特例を廃止し、その施行日を令和10年(2028年)4月1日としています。

同じ日から、海外から届く1万円以下の通販商品については、売る側が消費税を納める仕組みも始まります。
これは財務省の令和8年度税制改正の解説に書かれている内容です。
「この値段なら税金はかからない」といういまの感覚は、2028年4月以降は通用しなくなると覚えておくと安心です。

日本のストアなら「関税込みか」と送料を見る

日本のストアで買う場合は、表示価格に税金が含まれているかどうかを最初に確かめます。
60%はヘルプページで、商品価格にすべての輸入税・関税が含まれていて、別に関税を払う必要はないと案内しています。

送料は、日本への発送なら一律550円です。
福袋などの対象外の商品を除き、商品の合計が1万円以上なら無料になります(2026年8月11日時点)。

公式通販と値段を比べるときは、本体価格だけを見ないでください。
税金と送料を足した総額で並べると、どちらが得かがはっきりします。

届くまでの日数に余裕を持たせる

海外から出荷される服は、注文してすぐには届きません。
60%のヘルプページでは、ブランドが商品を出荷するまでに、購入日から営業日で4日から最大20日ほどかかると案内しています。
そこから日本へ運ぶ日数が加わります。

見落としやすいのが「購入日」の数え方です。
ここで言う購入日は、注文した日ではなく入金が確認された日です。
コンビニ払いを選んで支払いを後回しにすると、そのぶん出荷も後ろにずれます。

バイヤー時代の経験でも、海外からの荷物は祝日や通関の混み具合で1〜2週間ずれることがよくありました。
秋に着たいパーカーなら、涼しくなる1か月前には注文しておくのがおすすめです。
旅行やイベントに合わせて買う服は、間に合わなくても困らない日程で動きましょう。

サイズ表は手持ちの服の実寸と比べる

S・M・Lの表記はあてにしない

アジアのブランドのサイズ表記は、国やブランドによって基準がばらばらです。
同じMでも、日本のMより一回り大きいこともあれば、かなり細身のこともあります。

60%のヘルプページにも、ブランドによって計測方法が違い、平置きで測ったサイズを載せている商品もあると書かれています。
登録の不備で、サイズ表の並びがXS・S・M・L・XLの順になっていないこともあるそうです。
少しでも迷ったら、買う前にサポートへ問い合わせたほうが確実です。

私がいつもやっているのは、手持ちの服でいちばん気に入っている1着を平らな場所に置き、サイズ表と同じ場所を測ることです。

測る場所測り方の目安見るポイント
身幅脇の下で、左右の端から端までゆとりの量がいちばん分かる
着丈後ろの首の付け根から裾までパンツとのバランスが決まる
肩幅左右の肩の縫い目の間肩が落ちる服では参考程度にする
袖丈肩の縫い目から袖口まで肩が落ちる服は短めの数字になりやすい

肩が落ちる服は「着たときの形」を確かめる

最近のストリートブランドには、肩の縫い目を腕のほうへ落としたドロップショルダーや、身幅を広く取ったボックスシルエットの服が多くあります。
こうした服は肩幅や袖丈の数字が普通のシャツと大きく違うので、同じ感覚で比べると判断を誤ります。

数字で分からないところは、実際に着た人の言葉が頼りになります。
まずは商品ページのモデルの身長と着用サイズを確認するのが基本です。
60%では、掲載モデルの身長や着用サイズをブランドに確認してもらえる商品もあります。

そのブランドを追いかけている人のブログも参考になります。
たとえばハノイ発のブランドHBSなら、HBSのハイエンドなストリートウェアを記録しているブログに、肩の落ち方や生地の厚み、合わせるボトムスまで、着たときの雰囲気が詳しく書かれています。
HBSは2020年に60%へ出店していて、当時の発表によると、日本のセレクトストアに入ったのはこれが初めてでした。

返品できる条件を注文の前に読む

通信販売にクーリング・オフはない

意外と知られていませんが、通信販売にはクーリング・オフの制度がありません。
消費者庁の特定商取引法ガイドの通信販売のページによると、商品を受け取った日から数えて8日以内なら、送料を自分で負担して返品できるのが原則です。
ただし、事業者が広告で返品について特約を表示している場合は、その特約が優先されます。

つまり、返品できるかどうかは、お店が決めたルールで決まります。
海外の通販では、「サイズが合わない」「イメージと違う」といった自己都合の返品を受け付けないお店も珍しくありません。

不良品に備えて、届いたらすぐ開ける

60%の場合、返品や交換ができるのは次の3つのケースに限られます。
傷や汚れがある初期不良、注文と違う商品が届いた誤配送、注文した商品の一部が入っていない梱包漏れです。
請求できるのは商品が届いた日から7日以内で、自己都合での交換や返品はできません。

届いた箱はその日のうちに開けて、中身を確かめる習慣をつけておきましょう。
不良を見つけたら、次のものをそろえて連絡すると話が早く進みます。

  • 商品全体と、傷や汚れの部分が分かる写真
  • 商品名やバーコードが載ったタグの写真
  • 注文番号と商品名
  • 返金と交換のどちらを希望するか

正規の販売先かどうかを見きわめる

偽サイトのチェックポイント

日本未上陸のブランドほど、どこで買えば本物なのかが分かりにくくなります。
そこにつけ込むのが、本物のブランドをまねた偽の通販サイトです。

国民生活センターのまとめでは、2025年度に越境消費者センターに寄せられた海外の事業者との取引の相談は9,127件で、開設以来もっとも多くなりました。
商品やサービスの種類別に見ると、衣類が769件で、役務・サービスに次ぐ2番目です。

国民生活センターの悪質通販サイトのトラブルにあわないためにでは、注文の前に次のような特徴がないかを確かめるよう呼びかけています。

  • サイト内の日本語が正しく表記されていない
  • 市場では希少なものが、そのサイトでは手に入る
  • ブランド品やメーカー品の価格が通常より安い
  • 支払方法が限られている、振込先の口座名義が個人名になっている
  • キャンセル、返品、返金のルールがどこにも書かれていない
  • 事業者の名称、住所、電話番号がはっきり書かれていない

「日本ではここでしか買えない」という言葉は、未上陸ブランドの魅力であると同時に、偽サイトがよく使う言葉でもあります。
ブランドの公式インスタグラムや公式サイトで、取扱店として案内されているかをたどってから買うと安心です。

偽物は個人で使う目的でも没収される

偽物をつかまされたときの損は、代金だけでは済みません。
税関によると、個人で使う目的でも、海外の事業者から送られてくる模倣品は輸入できず、没収の対象になります。
購入代金の返金に税関は対応しないので、お金を取り戻すには自分で販売元とやり取りするしかありません。

財務省の発表では、2025年に税関が輸入を差し止めた知的財産侵害物品は31,760件でした。
品目別では、衣類が10,660件でいちばん多くなっています。

万が一トラブルにあったら、まずはクレジットカード会社などの決済事業者に相談してください。
あわせて、近くの消費生活センターにつながる消費者ホットライン「188」も使えます。

まとめ

日本未上陸のアジアブランドを通販で買うときは、次の項目を順に確かめておくと失敗がぐっと減ります。

タイミング確認すること
注文の前誰から買って、どこから届くのか
注文の前関税・消費税・送料を含めた総額
注文の前届くまでの日数と、着たい時期
注文の前サイズ表と手持ちの服の実寸
注文の前返品・交換の条件と期限
注文の前公式から案内されている販売先か
届いたその日箱を開けて、不良や間違いがないか

どれも、買い物を慎重にしすぎるための項目ではありません。
確かめるべきところさえ押さえておけば、海外の服はずっと身近になります。

日本の店に並ぶ前のブランドを、自分の目で選んで手に入れるのは、服好きにとって何より楽しい時間です。
最初の1着は、気になっているブランドのTシャツやスウェットあたりから選んでみてください。

最終更新日 2026年10月27日 by ouraku